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NEW一体改革素案を閣議報告、5つの適正転嫁対策を

 素案の税制部分のうち消費税の税率は、①26年4月1日~地方消費税を含めて8%、②27年10月1日~同10%、と2段階の引上げを予定する。所得税や相続税等の改正は②の時期に合わせて27年1月から実施することとしている。また、税率アップの逆進性対策として導入予定の給付付き税額控除の精度を高めるため、番号制度も27年1月にスタートを見込む。

 

 税率アップとともに気になったのは中小事業者の事務負担等を考慮した現行制度の扱いだが、免税点や中間申告は一部で見直し、簡易課税はみなし仕入率の検討がされるものの、単一税率や総額表示などとともに現行制度は存続される。軽減税率やインボイス制度の導入は見送られている。したがって、中小事業者にとっては2段階の税率アップを適正に転嫁して元請に消費税額を請求できるか、あるいは消費者に販売できるかがカギを握り、赤字の課税事業者を中心に滞納額が膨らむ懸念が増すところだ。

NEW消費税率8%は26年4月、10%は27年10月、所得税・相続税の最高税率アップは27年1月

 23年12月29日夜、野田総理出席の下、社会保障・税一体改革素案(案)が民主党内でようやく決まった。複数の離党議員が出るドタバタ決着だったが、年明けの24年1月6日に政府・与党で正式決定し、野党に協議を呼びかける段取りだ。

 税制抜本改革の中身をみていくと、「消費税」の税率は、(1)26年4月1日から8%、(2)27年10月1日から10%へと段階的に上げる案となった。これには地方消費税が(1)1.7%、(2)2.2%含まれる。したがって、地方への配分は現在の2割より高まる。

 「所得税」の最高税率45%への引上げは課税所得5,000万円超を対象に27年分所得税からの適用を予定する。

 「相続税」の税率アップや基礎控除引下げと直系尊属からの贈与税軽減などの23年度改正案からのスライドは27年1月1日以後の相続や贈与から適用する案。消費税の税率アップが当初案から半年先送りされたこともあり、抜本改革が遠のいた感は否めないところだ。

NEW23年度改正法が漸く成立、過年分の更正請求は早急に

 積み残された23年度税制改正法案が11月30日に漸く成立した。臨時国会の提出に併せて、自民党からの反発が強かった納税者権利憲章の制定を諦め、復興財源確保法案とセットで早期に成立することを狙ったが、法人課税と更正の請求等以外は削除せざるを得ない無残な姿での法案成立となった。

 中でも、23年度税制改正の法人課税は3月末、6月末に続く3度目の法改正となり、11月改正法において改めて適用関係を確認する必要があろう。更正の請求等の期限延長は公布後即施行となっていて、改正後の更正の請求期間での対応が求められる。

NEW相続税改正・所得税改正はまたも先送り

 11月10日の民自公税調会長会談で継続審議中の23年度税制改正法案の扱いが決まった。「法人課税と納税環境整備以外の項目は今改正から削除」という結末で、相続税改正・所得税改正は6月に続き、またも成立に向かう法案から削除されることになった。政府税調は12月上旬に24年度税制改正大綱を決定する方針で、これら積残しの改正項目をそのまま24年度にスライドするのか、アレンジするのか注目する必要はある。だがその一方で、妥協に妥協を重ねる与党民主党に抜本改革につながる改正を実現できる力があるか疑問視せざるを得ない。

 震災復興増税については、所得税付加税が当初予定の10年から「25年」に伸びて4%から「2.1%」に下がった。個人住民税の均等割は、たばこ税削除の余波を受け、当初予定の年500円から「1,000円」のアップに。23年度改正法案の退職所得10%税額控除の廃止を25年1月から実施して復興債の償還財源の一部に充てる方針だ。

 

NEW社会保障・税一体改革は24年度大綱後の年末決着へ

 民主党内に相い次いで生まれた税制調査会と社会保障・税一体改革調査会が車の両輪となって、7月に閣議報告された一体改革の全体像を政府が制度化するのをサポートする。

 だが、その前に震災復興税制と継続審議中の23年度税制改正の成立に向けた与野党協議、24年度税制改正大綱の策定と、税に関する議論の日程が窮屈なため、藤井裕久税調会長が言明するとおり、大晦日の除夜の鐘を聞く頃まで議論がもつれる可能性がある。

NEW中小の軽減税率は15%の税額に付加税の10%

 政府が臨時国会に提出した震災復興財源確保法案に国税は所得税、法人税、たばこ税の3税が盛り込まれたが、国会審議や民自公の3党協議によっては修正がありうる展開。そんな中、震災復興特別法人税については、継続審議中の23年度税制改正法案の法人税実効税率下げを実施した上で3年間10%の付加税を課税する仕組みは変わらない模様だ。

 軽減税率の適用だけで済む中小企業は現行の18%が15%に下がったうえで付加税なので、16.5%(0.15×1.10)にとどまる。法案成立が前提だが、課税ベース拡大の影響が少ない中小企業は税負担が軽くなるとみていいだろう。

NEW震災の影響を加味した類似業種の算定方法を明示

 相続等により取得した土地等の調整率が公表されたが、同じく指定地域内にある非上場会社の株式等を相続等により取得した場合はその評価方式に応じて調整計算が用意されたのでその内容を確認したい。

 類似業種比準価額方式を採用する場合は3月11日を含む事業年度の見積利益金額を使うので、震災の影響が大きい会社は決算期によって評価の減額に差が出てきそうだ。

NEW富裕層の特別調査5割増しで平均の追徴額は約2倍

 個人課税部門における富裕層や無申告者への調査がさらに強化される方向にある。

 態様としては海外取引やインターネット取引での申告漏れが目立つが、富裕層の特別調査・一般調査を5割増しした結果、特別調査等の1割を占める500億円の申告漏れを把握。1件平均の追徴税額312万円は特別調査等の平均の1.9倍だ。国税庁の22事務年度所得税及び消費税調査等の状況により明らかとなった。

NEW津波・原発避難区域の固資税免除は24年度も継続

 東日本大震災の被災者支援について、地方税法は同法の特例と原発事故の特別法によって23年度分の固定資産税等の免除を手当てしているが、その第3弾となる特例法では24年度分も原則免除とする見込みだ。個人住民税や法人住民税等の措置は国税と連動した動きが特例法に盛り込まれるが、固定資産税等の地方税独自の支援策にも目を配りたい。

NEW家屋は自己資金でも土地が受贈資金なら特例OK

 住宅取得等資金贈与の非課税特例は22年の政権交代で金額が上積みされ、23年末に期限を迎える。同程度の非課税額での期限延長を望む声は関係各方面から上がり、東日本大震災の復興の点からも、震災特例法第2弾と同様、25年末までの期限延長が有力だ。そんな中、埋没しそうだが、6月施行の23年度改正では土地の先行取得にも同特例を認めている。

 この改正を受け、国税庁は先行取得土地のパターンを改正通達で明らかにするとともに土地等の取得に贈与資金を充てていれば、その後の家屋の取得等は自己資金でも特例の適用があることを明らかにしている。確認したい。

NEW納税猶予で持分のない医療法人に300移行と試算

 事業承継税制の対象から医療法人が外れる一方で、厚生労働省は19年4月に創設した持分のない基金拠出型への移行を勧める観点から、独自の納税猶予制度創設を目論んでいる。

22年度、23年度に次ぐ3度目のチャレンジだが、24年度は、アンケート結果を基に、移行を検討する約300の法人が同制度創設により円滑な医業継続が可能になると根拠を示す。改正論議の前の事前評価で明らかになった。

NEW連結納税の申請は例年の2倍で承認数は1,000を突破

 国税庁発表の法人税等の申告事績によれば、連結納税グループがこの1年で200近く増え、23年6月末時点で1,141グループになったことが分かった。国税庁によれば、申請件数は例年100を少し上回る程度だが、この1年では285のグループから申請があったことも分かった。22年度改正が申請増の一因となった模様だ。

NEW黒字申告は過去最低を更新も単年度は回復の兆し

 過去最低の黒字申告割合は25.2%となり、下落に歯止めはかからなかったが、明るい兆しは繰越欠損金の控除前の同割合が46.3%から49.0%へとほんの少し回復した点。国税庁がまとめた22事務年度法人税等の申告事績で判明した。心配された23年3月期の東日本大震災の影響は最低限にとどまったが、震災復興が遅れる場合は今期への影響が懸念される。

NEW権利憲章を見送り更正の請求・理由附記等を実現へ

 震災復興増税とのセットで、未成立の23年度税制改正項目の民自公3党協議に入る直前、民主党は、納税者権利憲章は「実現が困難」と判断し、更正の請求の期限延長など自公から合意が得られる部分を抜き出して年内の早期成立を目指す考えを明らかにした。

 3月末のつなぎ法成立以降も、断続的に水面下で自公の実務担当者と協議を重ねた結果を踏まえての判断。「権利」という言葉への抵抗が強く、「いわば哲学論争に発展してしまい」(民主党税調・古本伸一郎事務局長)、落としどころを見つけられなかった。党税調の中野寛政会長代行が政府税調に報告し、政府税調の税制改正大綱に修正案が盛り込まれた。

NEW相続増税の実施を24年からとする修正案を大綱に

 未成立の23年度税制改正法案が漸く実現のメドが立ち始めた。野党との議論が平行線をたどっていた納税者権利憲章の制定を政府・与党が諦めたからで、震災復興等の税制改正大綱に改正法案の修正案が明記された。今後の与野党協議や国会審議で再修正される可能性はあるが、大綱に基づく修正案が大筋で年内成立に向かうと思われる。

 税理士にとって関心の高い相続税増税・贈与税減税の改正法案は適用時期を24年1月1日に遅らせて実施される見込みだ。

NEW全額損金の掛金を拡充の倒産防止共済は10月から

 中小企業倒産防止共済の掛金の上限を大幅に拡充する改正が10月1日から実施される。法人が支払った掛金は全額損金、個人事業者の場合は必要経費算入できるため、掛金の拡充に合わせて節税効果は大きくなるが、昨今の経済情勢ではむしろ資金繰りのための解約手当金や貸付限度額の拡充のほうが魅力といえそうだ。なお、掛金の拡充に合わせた全額損金の取扱いは既に22年度税制改正で手当済みである。

NEWLPSに法人格は付与されていないと判断、東京地裁が納税者勝訴判決

 米国で設立したLPS(Limited Partnership)による不動産賃貸事業から生じた損失が納税者に帰属する不動産所得の損失として損益通算の可否が争われた事件で東京地裁は、準拠法上、LPSに法人格が付与されているとは言えず、法令上明らかに損益帰属主体として設立が認められているとはいえないと判示、国側の主張を棄却した。LPSに法人格が付与されているか否か判断した初めての注目すべき判決といえる(東京地裁平成23年7月19日判決、平成19年(行ウ)第78号)。

NEW法人税は課税ベース拡大の先行実施が有力

 震災復興増税の具体的な税目、年度毎の規模等を組み合わせた複数の選択肢が政府税調の全体会合に間もなく示されるが、優劣をつけた上で提示される見込みだ。有力なのは、積残しの23年度改正法案のうち法人税は課税ベース拡大を先行実施して実効税率引下げを凍結する案。3年で2兆円の財源が見込め、改正法案の相続税増税も実施すれば10年で約3兆円の財源となり、新規の増税は所得税だけで済むからだ。

NEW新政府税調が復興増税の議論再開も異論続出

 震災復興債の財源を臨時的な増税とするか、償還60年の建設国債とするかで分かれる民主党内の溝は、代表選を経てもそう簡単に埋まりそうにない。進行役の五十嵐文彦財務副相を除きほぼ一新された新政府税調の全体会合では、複数の委員が臨時的な増税に異論を唱え、出鼻をくじかれた形となった。

 ただ、新会長の安住淳財務相は9月半ばに複数の増税案を全体会合に示し、一任を取り付けた上で政府与党と協議し、9月中に与野党協議に臨む方針に変わりない点を強調。その一方で与党内調整が長引けば、与野党協議が10月以降に先送りされる可能性もある。

改正

4~8月開始事業年度の雇用促進税制受付を10月末まで延長

 雇用促進税制の適用の前提となる雇用促進計画の受付が、8月1日にスタートした。同計画は期首から2か月以内にハローワークに提出する必要があるが、税制改正法の成立・施行が3か月程度遅れたため、今年に限り、4月1日から8月31日までに事業年度を開始した法人は同計画の届出期限が23年10月31日まで延長される。

 ところで、雇用促進税制は、前年(度)より増加した従業員1人当たり20万円の税額控除が受けられるもの。大企業は5人以上かつ10%以上、中小企業者は2人以上かつ10%以上の雇用増要件などを満たす必要がある。期首に計画書を提出後、事業年度終了後2か月以内に適用要件をクリアしたとの確認をハローワークで受け、その確認印が入った計画書の写しを確定申告書に添付することで、同税制の適用が受けられる。

 計画作成に当たって留意したいのは、組織再編の場合。従業員の異動は計画開始前に生じたとみなされ、開始時の人数にカウントされるからだ。例えば、従業員50人のA社が従業員150人のB社に吸収合併されたケースでは、消滅したA社が同税制を適用できないのは当然だが、B社の計画開始時の従業員数は200人とみなされるため、B社は、雇用増10%以上の要件を満たすには20人以上の増加が求められる。分割のケースでは、例えば、従業員100人のA社から、期中にある事業がB社に分割され40人がB社に異動した場合、A社は6人以上を補充(増加)すれば要件をクリアする。計画開始時の従業員が60人とされるからだ。

 

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マイナスの資本金等は期限切れ欠損金と同じ扱い

 グループ法人税制では、発行法人に自社が持つ株式を譲渡することで意図的に譲渡損益を計上することを防ぐため、完全支配関係がある他の内国法人からの株式の譲渡(発行法人から見て自己株式の取得)では、譲渡損益を計上できないこととし、譲渡法人の資本金等の額に加減算することとされた。

 マイナスの資本金等の額の発生が想定されるところだが、23年度税制改正の資本取引等の税制の整備では、マイナスの資本金等の額を期限切れ欠損金と同様の扱いにすることとしている。解散した法人が債務超過であることを条件に期限切れ欠損金と同様に損金算入することができるわけだ。

 

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総合特区内の株式取得に係る課税特例が詳細に

 規制改革や制度改革、財政支援、税制優遇を適用して地域の活性化や国際的な競争力の確保を図る総合特別区域法の趣旨を踏まえ、同法が定める指定会社が発行する株式を取得した場合の課税の特例が手当てされた(措法49の19①二)。このほど同法の施行を受け、指定会社の具体的な内容、指定会社が発行する株式を取得する場合の契約関係等の詳細が財務省令に手当てされた。

 

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前事業年度が7か月以下なら特定期間から除外

 罰則規定と同様に、規制措置の先行も今年の改正の特徴ともいえるが、消費税では事業者免税点制度を利用した節税スキーム、課税売上割合が95%超の場合に全ての仕入税額控除が可能ないわゆる95%ルールの規制が図られる。規制措置のため適用はまだ先のことになるが、改正条文を見直した上で実務面のチェックをしておくことが肝要となろう。

 

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移転に併せ源泉税処理も移転先の所轄署に移行

 源泉所得税の納税地は給与等を支払った事務所等の所在地とされてきた。そのため、事務所等の移転後も、移転前に支払われた給与等に係る調査・納税告知処分等の課税処理は移転前の所轄署が行ってきた。これが来年1月1日以降は、移転後の所轄の税務署に課税処理が移行する。納税者の利便性の向上と税務署側の事務の迅速性の確保が狙いだ。

 

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医療用機器の特別償却率を引き下げ、適用延長

 高額な医療用機器、医療安全に資する医療機器を購入した場合は特別償却制度が設けられているが、租税特別措置の縮減傾向が進む中、医療用機器等を取得した場合の特別償却制度の償却率を引き下げる一方で、適用期限を平成25年3月31日まで延長。さらに、一部の対象機器が特別償却制度の対象から除外されている。留意が必要だ。

 

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行政救済制度検討チームが各省庁にヒアリング

 行政不服審査法の改革など行政救済制度の在り方を検討中の行政救済制度検討チームのWGが始動した。第一回目の会議では不服申立前置の全面的見直しに関する調査結果を踏まえて今後のWGの進め方を検討。その上で、関係15省庁等へのヒアリングの第一弾が厚生労働省と環境省に対して実施された。ヒアリングの検討結果等を踏まえ、10月中旬を目途にWGとしてのとりまとめに向けた作業を進めていく予定だ。

 

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中小特例不適用の判定は複数の大法人による支配も

 グループ法人税制における中小特例の不適用制度は、タテの関係で完全支配、つまり上に位置する大法人に株式を100%保有される場合に同制度の対象とされたが、23年度改正では複数の大法人によって株式を100%保有される場合も対象に加わっている。

 注意したいのは、不適用となるのは複数の大法人に支配される子法人だけではない点。その子法人、つまり孫法人等のタテで見て100%株式を保有される関係にあれば、すべて含まれる。親法人等の上に位置する法人の株主構成図を確認しておく必要があろう。

 

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連帯納付の利子税は延納許可の有無に応じ変動

 23年度税制改正で、相続税の連帯納付義務者が連帯納付義務を履行する場合に相続税本税に併せて納付が義務づけられてきた延滞税が、原則、利子税に代わることになった。ただし、延納の許可を受けていた場合や受けていなかった場合、また未納の分納税額がある場合等々に応じて、利子税の額が変わってくるため留意が必要だ。

 

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消費税還付の仕入控除明細書添付を厳格化

 23年度改正で創設された消費税の不正還付未遂罪は還付保留事案を射程範囲とし、年間1,000件規模の不正計算がターゲットとなることを7月11日号で既報したが、その前段となる調査選定の精度を上げるため、これまで任意だった「仕入控除税額に関する明細書」を還付申告に添付することが義務化される。

 併せて、還付申告の場合の同明細書の記載項目が大幅に増え、厳格な内容の記載が求められることになる。関与税理士の手厚いサポートが必要となろう。新明細書は、24年4月1日以後に提出するものから適用される。

 

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一時所得から給与課税分のみ控除は既契約にも遡及

 満期養老保険を一時所得として計算する場合の控除額を給与課税分に限る改正は、控除額の範囲が争われる事件の最高裁の判断を待つ前に既契約分にも遡及適用される。

 改正法と併せて施行された改正所得税法施行令の附則で、23年6月30日以後に支払いを受けるべき生命保険契約等に基づく年金又は一時金に係る保険料又は掛金に適用されることとなったからだ。既契約への遡及適用に加え、個人事業主が負担する生命保険や積立型の損害保険に適用される点にも注意したい。

 

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日税連、平成24年度税制改正に関する建議書を関係機関等に提出

 日本税理士会連合会は、税理士法に基づく平成24年度税制改正に関する建議書をまとめ、関係省庁に提出した。見直しが求められる個別の改正項目のほか、中期的な視点から、継続して検討すべき項目の基本的な視点を示しているが、東日本大震災に関する税制やその取扱いに関しては、別途、審議を継続しているため、盛り込まなかった。

 

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原発災害避難区域の固資税・自動車税等を免除

 4月27日に成立・施行された地方税法改正に規定されなかった原子力災害地域の固定資産税等の減免を盛り込む地方税法の特例法がまもなく国会に提出され、成立する見込みだ。

 国税は、震災特例法第2条の定義に原子力発電所の事故による災害が明記されているため、特例法を適用できるが、地方税は原発被害が4月の地方税法改正から抜け落ちていた。総務省は、液状化の地域は個別に対応することになると説明していたが、原発事故については別途、法整備を検討していたわけだ。

 

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取引先の反面調査対象に帳簿書類以外の物件も

 法人税の調査について必要がある時は、調査対象法人の取引先等への質問、帳簿書類の検査が認められている。いわゆる反面調査であるが、取引先に対する調査の対象に帳簿書類以外の物件も追加されている。これも財務省サイドからの要望にない項目等に基づく見直しの一つ。既に、適用が始まっており、周知が必要だろう。

 

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生衛業者の税制の活性化に向けて税理士に期待

 厚生労働省等の分野と税理士業務は関わりが少ないだろうと考えがちだが、同省設置のWGに参加、意見を述べる機会もある。例えば、中村一三税理士(日税連常務理事)もその一人。厚生労働省に設置された「生活衛生関係営業に係る税制及び融資制度活性化方策WG」の構成委員として、生活衛生関係営業に係る税制や融資制度の活用支援策の検討に参画、その報告書が近々まとめられる予定だ。

 

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税額控除の前提の雇用促進計画は8月受付開始

 雇用促進税制は中小企業者に恩典が大きく住民税を含めると税額控除される金額は1人増加で40万円(2人以上、かつ前年比1割以上の増加は必要)になるが、ハローワークから雇用者増などの証明を受ける必要があり、期首に雇用促進計画を提出することが前提となる。なお、大企業は、法人住民税からの控除はなく、雇用保険一般被保険者の数を5人以上(かつ前年比1割以上)増やすことで、1人当たり20万円の税額控除が受けられる仕組み。

 ところが、23年4月開始事業年度から適用される同税制の成立が6月末にずれたことから、厚生労働省は、雇用促進計画の提出を8月からハローワークで受け付けることとし、計画書の様式や記載例、手続きなどを現在準備中だ。

 

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清算中の法人の株式等の評価損は損金不算入に

 法人の有する資産が災害等によって著しく損傷した場合など一定の場合には評価損の額を損金に算入することが認められている。しかし、完全支配関係があるような場合は、清算中の内国法人が有する株式等の評価損については損金に算入されないことになる。

 

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会計の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準に税制も連動

 企業会計基準委員会(ASBJ)が会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準と適用指針を一昨年暮れに公表、今年4月1日以後に開始する事業年度の期首以後に行われる会計上の変更、過去の誤謬の訂正から適用することになっていた。

 この会計基準の流れに税制も対応、陳腐化償却制度が廃止された他、確定申告書の添付書類に過年度事項の修正の内容を記載した書類等が政省令に手当てされた。

 

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義務的修正申告書の不提出も故意のほ脱犯

 課税の適正化の観点から、故意の申告書不提出による「ほ脱犯」が各税法ごとに創設されたが、昨年の改正で申告書不提出犯の対象に追加された義務的修正申告書及び義務的期限後申告書の不提出の場合も、故意の申告書不提出によるほ脱犯とみなされ、5年以下の懲役若しくは500万円以下の罰金に処するか、併科されることになった。これは公布後2か月経過後の9月以降からの適用となる。

 

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自動車通勤者に係る通勤手当の上乗特例を廃止

 所得税法は非課税所得として18項目を掲げている(所法9)が、通勤手当もその一つ。この通勤手当のうち、自転車等の交通用具を使用することを常例とする者の通勤手当を定めた政令が見直された。その結果、自転車や自動車等の交通用具の使用を常例とする者の運賃相当額が、通勤距離に応じて定められているそれぞれの非課税限度額を超える場合の上乗せ特例が廃止される。環境問題に配慮した対応だが、地方で自動車通勤等をしている者には少なからず影響が出てこよう。

 

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省エネ設備は同時設置が特別償却等の適用要件

 福島第一原発の事故を契機に新エネルギーへの転換の機運は高まるが、税制面からは今年度の改正で創設された環境関連投資促進税制が後押しする。既存のエネ需税制に代わる新税制だが、国会での審議が不十分として、エネ需税制も24年3月末まで残り、併存する。

 両税制を比較すると、特別償却については初年度に全額償却ができる即時償却が24年3月末まで延長されるエネ需税制が有利。新税制は、取得価額の30%相当額の特別償却、又は中小企業者には7%の税額控除が認められている(当期の税額の20%を限度)。税額控除については足並みが揃う。

 次に両税制の対象設備を比較すると、新税制にはCO2排出抑制設備がある。他は共通するが、その詳細では例えば、エネルギー使用合理化設備の対象は新税制は4設備だが、エネ需税制は6設備。エネ需税制のほうが有利と思われるが、同設備の特徴はこれら設備を全て同時に設置した場合に適用できる点。つまり、高効率給湯設備や交流変周波数制御方式エレベーターを含むエネ需税制のほうがハードルが高くなるわけだ。

 新税制は23年6月30日から26年3月31日までの間に取得等して事業供用した場合に適用される。

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審理官に税理士や弁護士等の人材登用を示唆

 東日本大震災のために休止状態にあった行政救済制度検討チームが再開、第6回目となる会合では、2月に日税連等に行ったヒアリング結果に対する意見交換、行政不服申立制度の改革方針に関する論点整理(初版)の説明と質疑、さらに各省庁への不服申立前置の全面的見直しに関する調査結果に対する意見交換が行われた。当初、夏頃の取りまとめが予定されていたが、パブリックコメントを経た後、11月を目途に取りまとめる予定だ。

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棚卸資産の評価方法の切放し低価法を廃止

 棚卸資産の期末評価の方法の一つである低価法はこれまで洗替え低価法と切放し低価法のいずれかの選択が認められてきたが、年度改正の当初案通り、切放し低価法の廃止が決定した。個人の場合は平成23年分以後、法人の場合は平成23年4月1日以後に開始する事業年度からの適用となる。

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財務省、通則法の二重前置は存置の方向と回答

 行政不服審査法の全面的改革に向けた議論の一方で、今年1月末締切りで、不服申立前置に関する法令を所管する各府省に調査を実施、回答結果をまとめた。その結果、対象となる法律は102法律にのぼった。また、国税に係る不服申立手続が盛り込まれた国税通則法は財務省の所管だが、従来通り、二重前置を存置していく旨、回答している。

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社会保障・税一体改革に向けた結論は曖昧に

 昨年12月の閣議決定を受けて、政府・与党は社会保障と税の一体改革に向けて集中検討会議を設置、議論を深めてきた。その集中検討会議が提言をまとめた後、成案決定会合が成案の取りまとめに着手し、社会保障・税一体改革成案をまとめた。それによると、社会改革案の実現に向けて、2015年度に求められる追加所要額を約2.7兆円と推計。しかし安定財源確保策としての2015年までの消費税率10%アップに関しては反論が多く、税率アップ、導入時期は曖昧にされた格好だ。

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社会保障・税番号大綱に併せ情報保護評価WG設置

 社会保障・税番号大綱が6月30日に策定され、公募していた番号の名称はマイナンバーに決定した。大綱策定を受け、今秋の国会提出に向けた法制化を急ピッチで進める必要があるが、その一方で大掛かりな規模となるシステム構築にも着手する必要がある。

 そのシステム構築に当たっては、国民の不安を払拭するためにも、プライバシー保護の観点が必要なのはいうまでもない。政府は、アメリカやカナダ等で導入されるPIA(プライバシーに対する影響評価)の仕組みを導入する考えだ。

 

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特定寄附信託の利子所得の非課税措置を創設

 我が国にも特定寄附信託いわゆる日本版プランド・ギビング信託が創設されることを受け、同信託の信託財産から生ずる利子所得に係る非課税措置が講じられる。NPO法人等の支援措置と同様、新しい公共の概念に対する税制上の支援措置となるもので、公益法人やNPO法人等への信託銀行を通じた寄附がし易くなる環境が整うことになる。減税メリットも大きく、期待が寄せられている。 

 

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消費税の不正還付未遂罪は還付留保事案が射程

 23年度に実施される消費税法改正の中では、免税点や95%ルールの見直し以外にも、還付申告をターゲットとした不正還付未遂罪にも注意する必要がありそうだ。

 還付申告に対する調査は、申告件数の1割程度で実施され、さらにその1割の高率で不正計算が見つかっているからだ。年間12万件程度の申告の1%に相当する1,000件前後が、今回創設される未遂罪の射程範囲となる。

 

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連帯納付義務履行時の延滞税は原則、利子税に

 納税環境整備としての大綱への記載はなかったものの、納税環境整備の一つともいえるのが相続税の連帯納付義務制度の見直し。連帯納付義務者に相続税の徴収を求める場合には納付通知義務が税務署長に求められることになった他、連帯納付義務を履行する場合に負担が求められる延滞税は、原則、利子税に代えるなどの措置が講じられた。

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危惧される、国税通則法の抜本改正の行方

 平成23年度税制改正法案は抜本改革に絡む項目や国税通則法の抜本改正を盛り込んだ修正案と、租税特別措置や雇用促進税制、寄附金税制、罰金等の課税の適正化を盛り込んだ新法案に分けて国会に再提出され、新法案を優先的に審議、早急に成立させる旨が民主・自民・公明3党間で合意された。そうなると危惧されるのは、50年ぶりの抜本改正となる国税通則法の改正案の行方。罰則規定を先行させるだけでは、批判も出てこよう。

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改正NPO法成立、認定は国税庁から所轄庁に

 寄附税制の改革に先行して、議員立法によるNPO法の抜本改正案が衆参両院とも全会一致で可決・成立した。今回の見直しの特徴は、認定NPO法人制度が同法に取り込まれ、その担当が国税庁から所轄庁に移されること。寄附税制の環境ね整えば、今後、認定NPO法人の大幅な増加も見込まれる。

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還付加算金狙いの仮決算による中間申告を規制

 普通法人の事業年度が6か月を超える場合、事業年度開始の日から6か月を経過した日から2か月以内に中間申告書の提出が求められる。これには仮決算による中間申告と前年度実績に基づく予定申告の2つがあるが、今回、仮決算による中間申告の法人税額が、前事業年度の確定法人税額の2分の1を超えるような場合は、仮決算が封じられることになった。還付加算金狙いの過大な法人税額による中間申告を封じるためだ。

 

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11の買換特例を廃止、適用期間は3年間延長

 税収不足の中、廃止・縮減の方向で見直されてきた事業用資産の買換特例、特定資産の買換特例だが、同特例の改正内容は23年度税制改正法案の当初案どおり新法案に盛り込まれ、3特例の要件を見直すとともに、11特例を廃止の上、適用期限が3年間延長されることになった。

 

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分割された税制改正法案の一つが成立、施行は6月30日の見込み

 分割された23年度税制改正法案のうち、「現下の厳しい経済状況及び雇用情勢に対応して税制の整備を図るための所得税法等の一部を改正する法律案」は6月16日の衆議院本会議で可決後、6月22日の参議院本会議でも、共産党を除く全会一致で可決され、成立した。当初予定では23年4月1日に施行される予定だった租税特別措置等は原則公布日からの施行となる。3月末のつなぎ法案により期限は6月30日まで延長されているので、同日の6月30日に施行される見込み。

 成立した改正法は、所得税関係では年金所得者の申告不要や寄附金控除の拡充などが、法人税関係では雇用促進税制の創設、グループ法人税制の整備、仮決算による中間申告の制限などが、消費税関係では免税事業者の要件と課税売上割合95%以上の仕入税額控除の見直しが、相続税関係では連帯納付義務の見直しなどがある。

 

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免税点を特定期間で判定の消費税改正は25年から適用

 消費税の税率アップの地ならしとの指摘もある改正は、22年度に仕入税額控除の適正化措置、そして23年度に免税点制度と95%ルールの見直しと続く。抜本改革の一環となる23年度改正案は先送りされる中、これら消費税改正は課税の適正化として、昨年暮れの税制調査会では「要望のない項目」で浮上したものだ。注意したいのは、成立・施行が3か月程度遅れることから、免税点制度の見直しは当初の24年10月ではなく、25年1月以後の開始事業年度(年)から適用される見込み。

 免税点制度の改正は、既存の基準期間(前々年、前々期)における判定に加え、新たに特定期間を設けることで、2年のうちに設立と解散を繰り返す納税義務免れに対応する。特定期間とは、前年又は前期の一定期間を指すものであり、具体的には、個人事業者は①前年1月1日から6月30日までの期間、法人は②前期がある法人はその前期開始の日以後6か月の期間と、③前期が7か月以下の法人は前々期開始の日以後6か月の期間(6か月以下の場合はその期間)が当てはまる。

 これら特定期間の課税売上高が1,000万円を超える場合に、翌年又は翌期から課税事業者となる。特定期間による判定は、当初24年10月1日以後に開始する事業年度からだったため、9月決算法人は23年10月~24年3月の上半期が特定期間だったが、改正法の成立・施行の遅れにより、25年1月1日以後に開始する事業年度からとなった。9月決算法人から12月決算法人までは適用が1年遅れることになる。暦年の個人は結果的に同じ。

 

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収益事業の身障者従事割合は個々の事業で判定

 法人税法上の収益事業は限定列挙される34事業に課税されるのは言うまでもないが、その判定に当たっては悩む場合も多い。身体障害者を多数雇用して2つの医療保険業を営んでいるNPO法人は、身障者従事割合の判定をめぐって名古屋国税局に照会。独立した個々の事業で判定することの確認を得ている(名古屋国税局平成23年4月5日付け回答)。

 

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消費税率は二桁台に移行後も単一税率が有効

 社会保障改革案には段階的な税率の引上げにより、平成15年度までに消費税率を10%まで引き上げる旨が盛り込まれた。実現に向けた前途は多難だが、悪化し続ける財政状況の下、社会保障財源補填のための消費税増税は喫緊の課題。その際には、消費税率が二桁台に移行する場合に予測される事業者の事務負担増に考慮した検討が強く求められる。

 

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租税の罰則規定を納税環境整備に先行して創設

 税制改正の新法案に盛り込まれた課税の適正化として罰則規定の強化があるが、故意の申告書の不提出によるほ脱犯が各税法に創設された。故意のほ脱犯とみなされると、例えば所得税法の場合、5年以下の懲役もしくは500万円の罰金等が課される。税法上、故意をどの時点で判断するのか問題が出てこよう。

 

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公的年金者の申告不要制度は23年分所得税(注)から

 過去に例のない変則的な対応になった平成23年度税制改正法案だが、現下の厳しい経済状況と雇用情勢に対応した新法案、経済社会の構造変化に対応する修正案に分かれて閣法として再提出されたのは既報のとおり。

 租税特別措置や雇用促進税制、寄附金税制が盛り込まれた新法案は、いわば23年度改正案の整備法案として位置付けられよう。そうなると、個人所得課税や法人課税、資産課税等の税制の抜本改革にもリンクする改正項目が盛り込まれた修正案は税制抜本改革に向けた構築法案と位置付けられるかもしれない。その整備法案に盛り込まれたものの一つが、年金所得者の申告手続等の簡素化である。(注)誌面では「26年申告時から」と記載しましたが、その後の取材で23年分所得税から適用されることが判明しました。訂正するとともにお詫びいたします。 

 

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租税特別措置法等は別法案で、分離して対応

 社会保障改革案に沿って、税制抜本改革に向けて検討中の政府税制調査会の2回目の会合で、会議の冒頭、五十嵐財務副大臣が平成23年度税制改正法案の状況に触れ、個人所得課税等や通則法関連の抜本改正は法案に残すよう法案修正して各党間で協議を継続する一方、租税特別措置関係は別法案として分離していく方向で三党間協議が整ったと報告、出席した委員からの了解を得た。

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総合特区は成立見込みも税制改正法案の成立待ち

政府が新成長戦略の一環とする総合特区法案は5月17日に共産党を除く賛成多数で衆議院を可決・通過したことから、国会が空転しない限り、今国会会期中の成立が濃厚だ。特区は①国際戦略総合特区と②地域活性化総合特区の二つあり、特に①は税制上の優遇措置を手厚くして海外企業を日本に誘致する狙いがある。その優遇措置は、審議が棚上げになっている23年度税制改正法案に規定されており、同法案の成立を待つことになろう。

 

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公益法人自ら募集する指定寄附金の要件を告示

公益社団法人や公益財団法人が東日本大震災の救済のために自ら募集する寄附金で、一定の要件を満たすものは、指定寄附金の対象となることが震災特例法に措置された。これを受けて、損金算入が認められる寄附金を指定した財務省告示が見直され、指定寄附金となる場合の一定の要件が明らかになった。

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政府税調が厚労省案の新子育てシステム、番号制度を活発に議論

政府税調は社会保障改革に関する厚生労働省案、子ども・子育て新システム、社会保障・税番号要綱を踏まえて懇談会を開催、意見交換を行った。担当の政策統括官、審議官からの説明の後、意見・疑問等々活発な議論が行われた模様だ。

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犯罪収益移転防止法の改正で、税理士が代理する際の確認事項等を追加

法案の成立が少ない第177国会だが、テロ支援等につながる犯罪による収益の移転防止を図るいわゆる犯罪収益移転防止法の改正案は数少ない成立法案の一つ。税理士業務には関係なさそうな法律だが、一定の特定受任行為の代理等を行った場合の取引記録等の作成義務等が求められる特定当事者には税理士・税理士法人も明記されている。こうした場面に関わるのは稀だろうが、法律の内容を正しく理解した対応が必要だろう。

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実務

滞納残高は12年連続減少でピーク時の半分に

 国税庁発表の「平成22年度租税滞納状況」によると、滞納残高の圧縮は12年連続となり、ピークの10年度(2.8兆円)と比べると半分の1兆4,201億円まで下がったことが分かった。消費税も11年連続減少の4,256億円となった。ただ、新規発生の半分を消費税が占める状況は変わらず、消費税の滞納問題は税率アップの検討と併せ今後の不安要因のままだ。

 

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滞納訴訟は国側勝訴率100%、免脱で2件告発も

 国税庁は、滞納整理に関して、納税に誠意が認められる滞納者には納税の猶予などの相談に応じる一方で、誠意がない悪質な滞納者には訴訟提起による強行手段も辞さない2つの顔を使い分けている。

 中でも、後者の訴訟提起は成果を残していて、最新の22年度訴訟提起状況では、同年度中に訴訟が終結した225件のすべてで国側勝訴となったことが分かった。21年度には直近40年で最多の226件を提訴したが、その一部を含む22年度の裁判で100%の勝訴を収めたのだ。

 

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審判所、税理士7人含む15人を民間採用

 国税不服審判所は、7月10日付けの定期異動時に15人の審判官を外部から採用したことを明らかにした。税理士と弁護士がそれぞれ7人、公認会計士は1人で計15人。これは工程表の数字と一致する。

 工程表とは、23年度税制改正大綱を踏まえ、審判所が昨年12月17日に公表したもので、平成25年には事件を担当する審判官100人の丁度半数となる50人を外部採用者とする計画。今回、15人を採用することで、審判所に在籍する外部採用者は31人となる。採用された審判官は、研修を経て、これから3年間、審査請求事案に関与するが、年収は850万円~1,000万円とばらつきがある。これは地域差や実務経験によるばらつきとされる。

 

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緑署のたまプラーザ駅前は4.3%の上昇に転じる

 東京国税局の税務署管内の最高路線価も全国と同様の傾向が見られる。上昇に転じる地点が一つ現われたほか、横這いは昨年の2署から17署に増えた。都市部の一部の地域では、高度利用のできる商業地域に高層マンションが立地する傾向が見られ、マンション販売も好調。上昇に転じる地域が出始めている。

 

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埼玉県で下落幅縮小も他県は前年並みの下落率

 関東信越国税局の税務署管内の最高路線価も全国と同様、埼玉県などでは下落率が縮小又は横這いとなる署があるが、他の県では一部を除いて下落率は前年並みとなった。なお、茨城県と栃木県の全域、新潟県と長野県の一部指定地域では、東日本大震災による影響を調整率を掛けて減額する特例が手当てされる。

 

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特定土地等の震災後の基準価額は路線価で調整

 東日本大震災の被災地向けの相続・贈与税に係る特例の一つに特定土地等や特定株式等に係る相続・贈与税の課税価格の計算の特例、申告期限の特例があるが、そのうち特定土地等の震災後を基準とした価額の計算方法が明らかにされ、原則、震災による地価下落を反映した「調整率」を平成23年分の路線価・評価倍率に乗じて計算することになった。

 

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2015年3月期からのIFRSの強制適用を否定

 2010年3月期以降任意適用が開始、2015年3月期以降からの強制適用が示唆されてきた国際財務会計基準いわゆるIFRSだが、自見庄三郎金融担当大臣が「IFRS適用に関する検討について」と題するレポートを公表、少なくとも2015年3月期についての強制適用は考えていないことを明らかにした。この判断の背景には、今回の東日本大震災の影響もあるようだ。

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一元化の最終年度を前に繁閑調整等の対応を確認

 税務署の管理運営部門を中心に進めてきた内部事務一元化定着に向けての3年プランが、この7月からの新事務年度で最終年度を迎える。定着、さらには最終形の「これまでの事務系統にとらわれないより効率的な事務処理体制」の構築に向けてのステップは残すところ2つ。最終年度を前に国税庁内で開催された全国徴収部長会議では最終確認が行われた模様だ。

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路線価の対前年増減率の全国平均は▲3.1%

 国税庁は、路線価の公表に当たり、従来の加重平均による平均値を取りやめ、23年分から地価公示と同じ対前年増減率の平均値を都道府県別に出すこととした。その結果、すべての都道府県で下落となったのは22年分と同じだが、23年分は下落率の縮小が多く見られた。

 22年分の7%下落から23年分は2%まで下落率が縮まった東京都を始め、下落率5%未満は34から38都道府県となった。県庁所在都市の最高路線価では福岡市が上昇に転ずるなど、22年分のゼロから好転の兆しも。だが、大震災の影響を受ける東日本でこの傾向が来年も続くかは不透明。なお、指定地域では10月から11月に公表される調整率を路線価に掛けて相続税等の評価額を求めることになる。

 

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事業用資産の原状回復費用も指定寄附金の対象に

 東日本大震災を契機に、認定NPO法人や公益法人が被災地救援のために自ら募集する一定の義援金も指定寄附金の対象に追加されたが、公共法人や公益法人、認定NPO法人等に支出された寄附金を、その法人等が事業用に供していた建物・土地等が東日本大震災で損壊等したため、その原状回復に充てる場合も同様に取り扱われることになった。

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新事務年度の調査も富裕層・無申告・国際を継続

 22事務年度の評価と、7月から始まる23事務年度の調査事務等の方針を確認する全国課税部長会議が国税庁内で開かれ、新年度も、富裕層・無申告・国際化を3本柱とする調査事務の方針に継続して取り組んでいくことを確認した。秋に発表される調査事績でも3本柱に重点的に取り組んだ成果が示される模様だ。

 

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適切な事案組成を通じた深度ある調査に対応

 国税庁は全国国税局調査査察部長会議を開催、調査課関係では東日本大震災への対応など4項目、査察課関係では平成22年度の査察事績の分析や、査察事務運営の検証・評価など5項目を議題に取り上げて、意見を交換し合った。そのうち、調査事務の充実に向けては、大口悪質法人等の資料収集に力を入れ、調査体制の確立とともに、確度の高い事案を組成して調査に取り組んでいく意向だ。

 

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被災者支援活動計画書の記載はより具体的に

 認定NPO法人に続き、公益社団・財団法人が東任本大震災の救援のために自ら募集する寄附金も指定寄附金になった。この扱いを受けるには、内閣府や都道府県の行政庁に募集要項、被災者支援活動計画書等をまとめて確認申請を行い、確認後、つまり確認の翌日から2年後の12月31日まで募集が認められる。

 

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やむを得ない事情の一つに法律解釈の難しさも

 租税特別措置は申告書にその適用を受ける旨の意思表示が求められるが、やむを得ない事情がある場合はその記載がなくとも適用は認められる。ただ、天災等の本人の責めに帰すことができない客観的事情がある場合に限られ、簡単には認められない。が、いわゆる3、000万円特別控除の適用の可否が争われた事件では、法律解釈の難しさ等も挙げてやむを得ない事情を認めている。昨年の判決だが、実務的にチェックしておきたい事例だ。

 

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土地等譲渡所得は増加も先行届出は2,484件で減

 所得税の確定申告状況の中では、土地等の譲渡所得が上向きの傾向にあり、41万人の申告のうち所得金額があったのは前年より1.9万人多い22万4,000人で、所得金額も2兆4,855億円に増えた。申告所得は対前年比16.6%増で、19年分以来の増加に転じた。

 一方、先行取得土地等の課税特例の適用要件である届出書の提出は、22年分は2,484件にとどまり、21年分の2,937件と合わせると5,421件が同特例を受ける資格がある。

 

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消費税届出含む青森と茨城の延長期限は7月29日

 国税庁は、東日本大震災により申告等期限が延長されている被災5県のうち、青森と茨城の2県の延長期限は「23年7月29日」とすることを明らかにした。22年分の所得税など、大震災のあった3月11日から7月28日までに期限が到来する国税の申告・納付等が対象となる。

 これは国税庁告示15号だが、被災事業者が注意したいのは消費税に関する国税庁告示16号。5月21日号14~18頁、6月1日号12~13頁で詳報の指定日も「23年7月29日」であるため、23年分の適用にも目を配りたい。

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非課税枠拡充で住宅資金贈与は暦年課税にシフト

 住宅取得等資金贈与の非課税特例は22年分においてその大半が暦年課税に流れたことが明らかになった。非課税枠が、自民党政権下の500万円から民主党政権では3倍の1,500万円に拡大されたからで、親から子への贈与はほとんどがこの枠内に納まり、相続時精算課税での利用を検討する必要がなかったため。

 国税庁によれば、22年分の同特例適用者は前年より3万人増えて7万1,000人。金額ベースでみると、7,765億円の住宅取得等資金の贈与のうち非課税額は7,199億円だった。

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被災5県の20万減含む申告数は2年減少の2,315万

 東日本大震災に伴う期限延長が実施される被災5県を含む確定申告状況を国税庁がまとめ、公表したところだが、22年分所得税の申告書を23年3月末までに提出したのは2,315万人で、昨年より52万人少なく2年連続の減少となったことが分かっている。うち、17年分から5年連続で過去最高を更新し続けてきた還付申告が32万人減って1,267万人となった。

 ただ、今回はイレギュラーで、被災5県の青森、岩手、宮城、福島、茨城の44税務署の納税者やそれ以外の地域でも期限延長の適用を受ける納税者が少なからず存在するためだ。前年と単純比較はできない。なお、青森県と茨城県の納税者の期限延長は「23年7月29日」までとなった。

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相続土地の震災による地価下落は特例法、家屋等の損壊は災免法の適用も

所得税の災害減免法は雑損控除との比較で利用される機会は少ないが、相続税や贈与税では災免法の適用が十分に考えられる。特に東日本大震災のような激甚被害では、相続財産に対する被害割合1割以上の要件をクリアする場合が多く見込まれ、計算の結果、基礎控除の額を下回るケースも少なくなかろう。

震災前の相続等で、申告期限が震災後の場合、被災した土地の地価下落は震災特例法、被災した家屋等は災免法と併用できることが、国税庁情報(「東日本大震災により被害を受けた場合の相続税・贈与税・譲渡所得・登録免許税の取扱い」について)で明らかだ。

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措置法の適用額明細書添付が4月決算からスタート

軽減税率を適用する中小法人等を始め、多くの法人が租税特別措置のどれかを利用しているが、23年4月決算法人から新たな添付書類として適用額明細書が必要となる。

国税庁は新制度のスタートを前に適用額明細書の手引を作成して注意を喚起するが、税理士にとっても、腕の見せ所である措置法を関与先法人の申告に適用する場合にうっかり失念しないように留意したい。

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欠損法人72.8%の過去最悪で交際費も3兆円割れ

国税庁の「税務統計から見た法人企業の実態」は最新の21年度分(21/4~22/3決算)で60回目の伝統ある標本調査だが、昨秋の申告事績に続き、欠損法人割合が過去最悪を更新したことが分かった。初めて70%を突破した前年度分を1.3%上回る72.8%だった。

景気悪化を反映して交際費等が3兆円を割り、貸倒引当金の利用率が2割を超える一方で、寄附金は1割増の5,467億円。また、最後の申告となった業務主宰役員給与の支給額等も明らかになっている。

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免税事業者から課税事業者は指定日までに選択届、不適用届出を提出

平成22年4月1日以降、調整対象固定資産の課税仕入れに伴い一般課税で申告した場合、その後3年間は課税事業者の選択を止めたり、簡易課税制度の選択が認められない制度が22年度改正で創設された。しかし、東日本大震災に係る消費税法の特例を受ける事業者はその適用を受けない。被害を受けた機械や措置を買い換えるため一般課税の申告を選択した場合も、翌課税期間に免税事業者に戻ることも可能だ。

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雑損失の繰越控除は最長5年、平成27年まで

 東日本大震災の被災者救済のためのいわゆる震災特例法における所得税法上の支援措置は大きく、所得税の減免措置、予定納税額の減額申請・源泉徴収の徴収猶予、納税の猶予さらに申告・納付等の期限の延長に分かれる。

 申告済みの者は平成22年分の更正の請求、済んでいない者は22年分の申告で対応することになる。

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租税条約や租税協定の改正・締結が加速化

ここにきて、国際的な二重課税の排除や脱税防止のための情報交換等を主体にした租税条約や租税協定の改正、締結が増えている。今年に入ってからでも、6か国・地域と基本合意に達した他、今国会にも6条約が提出され、2本が両院で承認されている。その傾向は日欄租税条約にも見られるように、課税当局間の相互協議による仲裁規定の導入と、いわゆるタックスヘイブン国との脱税防止を目的にした情報交換を主体とした流れだ。

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東日本大震災で固資税免除の通知

総務省は、東日本大震災に対応する改正地方税法の4月27日成立・施行を受け、同日付で「東日本大震災に係る地方税の取扱い等について」を始めとした各種通知や「地方税関係Q&A<東日本大震災関連>」を公表しているが、同通知においての記述は先送りされた固定資産税等の減免について新たな通知を出しているので、注目したい。

5月12日付の「地方税法附則第55条に基づく平成23年度分の固定資産税等の課税免除に係る対象区域の指定方法等について」で、同通知が出たことにより、被災自治体による対象区域の指定作業は進むと思われ、間もなく具体的な地域が明らかになる見込みだ。

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事件

弁護士会に会員が支払う受任事件負担金等は役務の提供の対価

 弁護士会が設置する法律相談センター等から紹介された弁護士が事件を受任した場合に弁護士会に支払う受任事件負担金に加え、紹介手数料、弁護士協同組合等への事務委託金、さらに司法修習生研修委託費が消費税の課税対象になるか否かの判断が争われた事件で、京都地裁はいずれも役務の提供として課税標準となると判断、原処分に違法性はないとして弁護士会側の請求を棄却している(平成23年4月28日京都地裁判決、平成19年(行ウ)第48号)。

 

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信託設定時に利益を有する地位にはないと認定、課税処分を取消し

 米国籍のみを有する者を受益者とする信託をその祖父が米国で設定した行為が、旧相続税法4条1項の遺贈によるみなし贈与が適用されるか否かの判断が争われた事件で、名古屋地裁は、信託設定時において信託による利益を現に有する地位にあるとはいえないと指摘した上で、原告(受益者)に贈与税を課すことはできないと判断、原処分を取り消している。

 

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10万円前後のアンケート結果を基に1人平均24万円の慰安旅行費用を否認

 国税不服審判所は7月8日、平成22年10月から12月までの3か月分の裁決事例を16事例、ホームページに掲載した。6月23日公表の平成22年7月から9月までの13事例に続き、2週間程度の公開となったが、今後は、3か月おきに公開される見込み。

 今回の注目は、社員の慰安旅行費用を否認したもの。1人平均24万円、総額800万円を福利厚生費として損金処理した法人が、税務署から、社員に対する給与に当たるとして同額の源泉所得税の納税告知処分を受けたことに端を発するもの。審査した審判所は、官公庁等から依頼を受けて調査機関が実施した余暇・レク活動等のアンケート調査を基に、海外旅行費用額の平均は平成11年7月で11万2,421円、16年3月で10万8,000円、21年12月で8万1,154円であることから、社会通念上一般的に行われるレクリエーション行事の範囲を超えるとして、税務署の処分を支持している。

 

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年調の社員の虚偽に会社の責任はなく社員に重加を認定

 会社員が住宅ローン控除を受ける場合、2年目以降は会社に必要書類を提出して年末調整で済ませているが、社員が虚偽の書類を提出して不正に住宅ローン控除を受けていたとしたら、税務署は源泉徴収義務者の会社を飛び越して社員に重加算税を賦課できるか!?。

 こんな疑問に国税不服審判所は、源泉徴収義務者に責めが認められない場合は会社員に確定申告義務があるとして、税務署は更正処分することができるとの見解に立っていることが分かった(平成22年7月1日裁決)。

 

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滞納管理費は消費税法上の支払対価に該当しない

 分譲マンションを競売で落札した不動産業者が負担した前区分所有者の滞納管理費等が課税仕入れに係る支払対価に該当するか否かの判断が争われた審査請求事件で、名古屋国税不服審判所は分譲マンションに係る消費税法上の支払対価を法人税法上の棚卸資産の取得価額と読み替える合理的な理由がないと指摘するとともに、消費税法基本通達10-1-6(未経過固定資産税等の取扱い)の適用がないことも明らかと判断して、審査請求を棄却している(平成23年3月22日裁決)。

 

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22年7~9月の裁決を13事例掲載、今後は3か月単位で掲載

 国税不服審判所は6月23日、平成22年7月から9月の3か月分の裁決を13事例、ホームページに掲載した。

 従来は6か月分、上半期と下半期で公表してきたが、審判所は、タイムリーに先例となる事例を公表したいとの趣旨で、公表のサイクルを早めた。最終的には、審査請求人に裁決を出してから最短6か月程度にしたい考え。

 今回、公表された裁決は、通則法関係と所得税法関係がそれぞれ3、消費税法関係と国税徴収法関係がそれぞれ2、法人税法関係と相続税法関係、印紙税関係がそれぞれ1。無償譲受人等の第二次納税義務に関する徴収法関係の裁決で全部取消しがある。

地価高騰の不動産業、過払金の認定司法書士等告発

 平成22年度に国税庁が脱税を告発した業種・取引は、都市部における地価高騰の影響を受けた不動産業が13件、建設業が11件とワーストの上位になったが、新たな特色として、外国人研修生受入事業や過払金返還請求等を行う認定司法書士を告発した事件も発生している。

 

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長崎年金、武富士事件があった22年度国税訴訟の国側敗訴は7.6%

 国税庁が発表した「平成22年度における不服申立て及び訴訟の概要」によると、22年4月から23年3月までの間に国側が全部敗訴した事件は16件、一部敗訴は11件で国側敗訴割合は7.6%だったことが分かった。前年度の敗訴率5%より増えたが、ストック・オプション事件や航空機リース等の敗訴事件が続いた二桁台の敗訴率よりは低い。ただ、注目を集めた事件が22年度は相次ぎ、金額面から見て対照的なのが、約20万円の所得税が還付された長崎年金事件(22年7月6日判決)に対して、武富士事件(23年2月18日判決)の贈与税の還付金は約1,300億円、還付加算金を含めると2,000億円規模とも報道された。長崎年金事件はその後の法改正や通達改正に発展したことは記憶に新しい。

 

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分掌変更後の労働条件等に重大な変動があったと認定

 専修学校の学院長がその地位を辞したことに伴い退職金として支払われた3億2,000万円が、退職金になるのか役員への賞与に当たるのか否かの判定が争われた事件で、京都地裁は、月給が従前に比べ56%減額した他、嘱託職員雇用契約という雇用形態になったことに鑑みれば、その法的地位に重大な変動があったということができると認定、原告である法人側の主張を全面的に認める判決を言い渡した。いわゆる役員の分掌変更に伴う退職金の支払いとその取扱いをめぐる事件である(平成23年4月14日京都地裁判決、平成20年(行ウ)第23、27号)。

 

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競売価額から競売予納金を控除した残額が担保権実行による取立見込額

貸倒引当金の繰入限度額の計算の際に、担保権の実行によって取立ての見込みがある部分の金額から競売予納金の控除が認められるか否かが争われた事件で国税不服審判所は、担保不動産のうち2物件は事業年度末までに競売の実行に伴って売却価額が確定しているものの、債務者から競売費用相当額部分を回収する見込みがないことから、売却価額から競売費用相当額を控除した残額とみるのが相当と判断、原処分を一部取り消している

(平成22年3月12日裁決)。

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業際

会計方針の変更、誤謬の訂正等は注記を要求

 日税連・CPA協会・商工会議所・ASBJの4団体で見直しが進められてきた中小企業の会計に関する指針が平成23年版として公表された。今回の見直しは、会計上の見積りの変更や誤謬の訂正に関する会計基準の適用指針が今年4月から適用となったことを踏まえたもの。税制も会計基準の流れに連動して見直しが図られたが、中小企業会計指針も、会計方針や表示方法の変更さらに誤謬の訂正があった場合には注記を求めることになった。

 

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早期償還手当金の支給額等を省令に手当て

 昨年4月に公布された改正中小企業倒産防止共済法の施行に伴い、省令に委任されていたのが申込金の廃止に伴う諸手続の整理、早期償還手当金の支給方法等。このほどその省令が見直され、早期償還手当金の支給手続及び支給額、申込金の廃止に伴う申込時の手続等が明らかにされた。

 

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賃貸マンションの更新料は合理的

 賃貸マンションの入居契約の更新の際に、借主に更新料の支払いを求める契約が違法か否かの判断が争われてきた事件で、最高裁はこのほど、更新料の額が賃料の額、更新期間等に照らして高額に過ぎるなどの特殊な事情がない限り、消費者契約法10条が定める民法上のいわゆる「消費者の利益を一方的に害するもの」には当たらないと判示、貸主側に軍配を挙げる判決を言い渡した。これまで、違法か否か控訴審で判断が分かれていただけに、後に続く同様の事件にも決着がついた恰好だ。

 

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相続放棄等の熟慮期間を11月末日まで延長

 相続放棄の手続きは相続開始後3か月以内に済ませなければならないが、この相続放棄をするか承認するか否かの判断期限を東日本大震災の被災地においては11月末日まで伸長させることを目的にした相続の承認や放棄に係る民法の特例法案が議員立法で国会に提出された。同法案の伸長措置は、震災発生前3か月以内の相続事案にも遡って適用されることになる。

 

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青森・茨城県の社会保険料等の納期限を告示

 国税の申告・納付等の期限延長に係る期日指定にならい、社会保険料等も7月29日に災害等によって国税の申告・納付等が困難な場合は期限延長が図られる。その期日は別途、国税庁長官が告示することになっていて、青森県・茨城県については平成23年7月29日とする旨告示されたが、健康保険法等の社会保険料等も国税の対応にならっている。青森県と茨城県の2県については、今回の国税庁長官の告示を踏まえ、同様に平成23年7月29日までとする旨を、厚生労働大臣が告示した。

 

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擬制死亡の確定待たずに共済金の受給が可能に

 事業廃止、死亡、老齢等から共済金が支給され、その後の事業展開や生活資金等の確保に便宜を図る小規模企業共済制度が、契約者本人に次いで共済金の支給を受ける権利を有する者、例えば配偶者や子、父母等が早期に生活資金等の受給が可能となるように、制度の運用改善が図られる。未曾有の被害を被った今回の東日本大震災を踏まえ、第三弾目となる対策だ。

 

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中小の新会計ルールは勘定科目に続いて様式集も

 中小企業の会計処理のあり方について、現在の中小企業会計指針とは別の領域で、新たな会計ルールを検討している「中小企業の会計に関する検討会」の作業部隊であるワーキンググループ(WG)も、5月で5回目を終えた。

 議事要旨の公表までに1、2か月を要し、その検討状況は徐々にしか分からないが、震災の発生で懸念された検討の遅れはそれほどなく予定どおり今夏(7月か8月)には新たな会計ルールの公開草案にまとめられそうだ。

 

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公庫による長期資金の貸付けが可能な中小企業者を告示

国民一般や中小企業者等を対象に、一般の金融機関が行う資金調達を補完する目的で設立されているのが㈱日本政策金融公庫(いわゆる公庫)。その政策金融公庫法に基づき、特定の中小企業者には事業の振興に必要な資金が長期資金として貸し付けられる。中小企業に関する重要な施策の目的に従って貸付けが行われる長期の資金として、主務大臣(財務大臣・経済産業大臣)が定めるものに限定されるが、その対象となる中小企業者と事業の目的を定めて告示した。

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